生きるとは老いること。
人間オギャーと産まれた瞬間から、死への歩みはもう始まっています。
嫌な事をゆーな!
とはいえ、なるべくは長生きしたいですよね。
まあ、長生きはともかくとしても、
老けたくない!
いつまでも若くいたい!
ずっと健康でいたい!!
とは、誰しもが望むことに異論はないはず!
そーだよね?ねっ!ねっ!!
しかし、そんな淡い希望を粉砕してしまう無慈悲な依存薬物。
そうです、アルコールです。
そこで、今回はアルコールによる老化がいかほどのものなのかを考察し記事にしていきます!お酒とおさらばすれば、若い体と心を取り戻せる!…かもしれませんよ?
ホンマかいな
アルコールは細胞レベルで老化が加速
この残酷な事実をご存知の方はどれほどいるでしょうか。
飲み過ぎは体に悪い…ってのは常識ですが、飲むほどに老けるという事は知らない方が多いハズ。
お酒のテレビCMで「キレのある味わいで老化を促進!!Asahi!スーパードラ〜イ♪」
とか宣伝してくれれば良いのですが、まあ言わないですよね。
当たり前だ!
???
テロメアとは染色体の末端にあるDNAを保護するキャップのような部分です。
私たちの体は60兆個の細胞で出来ています。細胞核の中には染色体があり、その染色体は遺伝子情報を含むDNAなどで構成されています。つまりDNAなどが集まって構成される染色体の末端に当たる染色体を保護するキャップのような部分がテロメアと呼ばれているということですね。
テロメアは細胞分裂を繰り返し新たな細胞を再構成するほどに消耗して短くなる仕組みで、加齢によって徐々に短くなっていきます。
つまり細胞の寿命を示す残数メーターのようなものと言えるでしょう。
きっと石田ゆり子はテロメアが長いんだろーなー
こうして、分裂を繰り返した細胞内の染色体はその都度テロメアが短くなり、限界までテロメアが短くなった細胞はその役目を終え、アポトーシスというプロセスを経て死滅します。
このテロメアの長さは人の寿命にも関わっている可能性が高いこともある程度わかっています。
同性の双子を調べた研究では、テロメアが短かった方が先に亡くなったとの事。
マジ!?
さらに6万人以上のデンマーク人を調査した結果、最長のテロメアを持つ人達は、最短のテロメアを持つ人よりも死亡リスクが40%低いという結果もあります。
このテロメアの長短は先天的な要因、遺伝などもあります。しかし生活習慣、運動の有無やとりわけ何を食べて、何を飲んで過ごして来たか、などに大きく影響するとも言われております。
つまり良い生活習慣を行っている人はテロメアを長く保ち続けられて、逆もまた然りと言うわけです。
テロメアの短小化がもたらす悲劇
ここまで書けばお察しだと思いますが、件のオックスフォード大学の研究によると
多量飲酒をしている人ほどテロメアが短くなっていることが判明したのです。
いやーー!!
実年齢40歳が細胞や見た目年齢で46歳かー
ですので厚生労働省が推奨する1日の純アルコール量の摂取、20gを遵守していれば、週に140gの摂取なのでテロメアの短縮は抑えられそうです。1日に純アルコール20gはビールに換算すると500ml缶1本分ですがあなたはその量で納得できますか?
正直私はたったそれだけしか飲めないなら一切飲まない方がずっとマシ!と考える派であります。
私にとって「節酒」はただの無理ゲー
さらにこのテロメアには面白い特徴があります。
それは体の部位によってテロメアを含めた細胞の置換頻度が変わるのです。
まず脳や心臓といった身体の基幹と言えるような箇所では細胞分裂による置き換えがあまり起こらない為、テロメアは長く保たれます。つまり脳や心臓は老化しにくい部分と察することができます。
丈夫で長持ち( ^ω^ )
しかし逆に激しく置換される箇所も存在します。
それは沈黙の臓器と言われる肝臓です。
全然沈黙してねえ!!
肝臓の大部分を構成する肝細胞では年間で約20%の置換が起こっています。
つまり細胞分裂を繰り返し、染色体が入れ替わるたびに肝細胞のテロメアがどんどん短くなるわけです。
クッ…!
アルコールは摂取すると体内でアセトアルデヒドという毒に変わり、これは肝臓によって分解され無害な酢酸へと変換されます。
つまりお酒を飲めば飲むほどに肝機能の働きによって肝細胞が消耗して入れ替わりが激しくなり、テロメアがガンガン短くなっていくという事が容易に想像できますよね。
いたわってあげてね
テロメアが短くなる原因は前述の細胞分裂の他にも、ストレスがあります。
かつての私たちはストレス解消のためにお酒を飲んでいました。しかし、アルコールは飲むことで、体内にアセトアルデヒドという毒を発生させ、それを分解させるために肝臓が活性化すると先ほど記述しました。
そしてこのアセトアルデヒドの影響によって、セロトニンも分泌も落ち込んでしまうのです。
セロトニンは別名幸せホルモンと呼ばれますが、飲酒によってセロトニンの欠乏を招くというメカニズムなのです。
- 飲酒によって、毒素が発生し、毒を分解するために肝細胞が活性化して肝細胞が入れ替わる。
- 細胞の置換によって染色体のテロメアが短くなり、免疫力も下がる。
- 免疫力が下がることで、老化が加速する。
といった順番です。
効果はバツグンだ!
テロメアを伸ばすアンチエイジングはコレだ!!
ここまで読んで、自分のテロメアは過度な飲酒によって、どれだけ短くなっちまったんだろう…とゲンナリした人もいるかもしれません。
しかし、最後まで希望を捨てちゃいかん。
諦めたらそこで試合終了ですよ。
安西先生…
件のテロメア、加齢とともに短くなっていくのは間違いありません。
しかし、実はなんと!加齢と逆行して長くすることも出来るのです。
それを早く言え馬鹿野郎!!
その方法は最強のアンチエイジング、運動。
アメージング!
またアメリカ疾病対策センターの助成によって実施され、2017年に発表された研究の発表によると、1日30分以上の有酸素運動を週5日程度行う人は、運動しない人よりもテロメアが長く、その長さは10歳位若い人と同等だったとのこと。
ちょっと、ランニングしてくる!!
テロメアの長さと関係する重要なファクターとして見逃せないものに男性ホルモンのテストステロンがあります。
そしてテストステロンは適度な運動、特に筋トレによって大きく上昇!!
即ち無茶な過飲酒を繰り返し、テロメアを激短させる愚行を繰り返していても、断酒をして筋トレさえすれば、失ったであろう寿命を、若さを、取り戻すことも不可能ではないのです!!
変な勧誘みたいになってきたな…
私たちは30歳を超えると、10年ごとに筋肉量の約5%、筋力の約10%を失います。
さらに70歳を超えるとその喪失速度は2倍以上に急加速!この筋肉量の低下現象は「サルコペニア」と呼ばれます。
しかし、この「サルコペニア」は筋トレを行うことで、大幅に回復することもわかっているのです。
つまり、70歳を過ぎても筋トレをすればアンチエイジングの効果を得られるということ。
90代の老人でも2ヶ月の筋力トレーニングで、筋力が倍増し歩く速度が50%も早くなった報告などもあります。
まして、60歳以下の方が断酒をして筋トレをすれば、得られるベネフィットが更に大きくなることは容易に想像できますよね。
運動は体の代謝や血行、骨や脳と筋肉をつなぐ神経にまでたくさんのいい変化をもたらします。
運動はテロメアの長さを伸ばし、筋肉の老化細胞の数を減らし、「衛生細胞」と呼ばれる筋肉を再生する細胞を増やして体じゅうのその他の幹細胞を活性化させるのです。
そして運動には炎症を減らす効果もあります。
運動しない筋肉は炎症を促進する傾向がありますが、活動的な筋肉はその逆という事。理由としては脂肪の蓄積は炎症を促し、逆に運動による脂肪の燃焼は抗炎症作用が得られるためです。
結局高価な化粧水を買ったり、高級エステの施術を受けるよりも、運動や筋トレこそが最高のアンチエイジング特効薬になるのです。
喫煙者の減少で訪れた朗報、お酒は?
現在において喫煙者はかなり少数派になりましたよね。私も10年以上前までスパスパ吸っていましたが、値上げしまくるので嫌になってやめました。タバコをやめることでどのような健康的利益を享受できるのでしょうか。
イギリスにおいて1950年には男性の8割、女性のほぼ半数がタバコを嗜んでいました。この長期的な喫煙者の世代は、社会全体の喫煙関連の罹患率をゆっくりと押し上げたのです。
その弊害のピークは1980年代〜90年代で、先進国のすべての死因の約6分の1、男性に限っては4分の1がタバコによるものでした。全体としては20世紀に喫煙で約1億人が死んだという見積もりもあります。
ホンマかいな
しかし、現在において喫煙率はピーク時の半分以下で、タバコを吸う人は減少の一途を辿っています。
その結果が蓄積されて、寿命の統計に表れてきました。
2019年には我が日本の平均寿命は84.5歳で、すぐ後に多くの国が続いています。
ちなみに前述のイギリスにおける同年の平均寿命は81.2歳です。
ブラボー!
では、私達の天敵であるアルコールはどうでしょう。
世界では、毎年300万人がアルコールの過剰摂取により死亡しており、これは全死亡者数の5.3% に相当します。
!!!?
アルコールの過剰摂取は200以上の疾病や傷害の原因因子とされています。
障害調整生存年数 (DALYs) で測ると、世界の疾病及び傷害負荷の全体の 5.1 % がアルコールに起因しています。障害調整生存年数 (DALYs)とは、障害の程度や障害を有する期間を加味することによって調整した生存年数のこと。
1990年代半ばには、WHOや世界銀行が、これまでの平均寿命とは異なる、疾病や障害に対する負担を総合的に勘案できる指標として障害調整生存年数 (DALYs)を公表し、近年、世界的に注目されてきつつある指数です。
アルコールの摂取は、人生の比較的早い時期の死亡や障害の原因となり、20〜39歳年齢層の全死亡の約 13.5 % はアルコールが起因。
アルコールの過剰摂取とさまざまな精神 ・ 行動障害、その他の非感染性疾患、傷害との間には、因果関係があることがわかっています。そしてアルコールの過剰摂取は、健康への影響だけでなく、個人や広くは社会に大きな社会的 ・ 経済的損失をもたらすという統計もあるのです。
タバコでは20世紀で1億人の方が犠牲になりましたが、もし飲酒環境が今のままなら、21世紀にアルコールで亡くなる方は単純計算で3億人となる公算で、実にタバコの3倍に上る犠牲者数。
昨今の世界人口の増加を鑑みると、犠牲者は3億人を大幅に上回るかもしれませんね。
ジェノサイドなんてレベルじゃねぇ!!
お酒とタバコは寿命、とりわけ健康寿命といわれる、元気な人生を毀損するのはまず間違い無いでしょう。
老化の元凶、「酸化」と「糖化」!それは「サビ」と「コゲ」!?
あなたを老化させる二大原因はズバリ、「酸化」と「糖化」です。
簡単に説明しましょう。
「酸化」とは一言で言うと「体のサビ」。
タバコ、紫外線、有害物質、残留農薬、食品添加物、過度な運動、そしてアルコールの摂取が原因で起こります。
必要以上の活性酸素が体内で発生し、体の細胞をサビさせてしまうこというもの。
これを「酸化ストレス」と言います。
ふむふむ
そしてもう一つの老化原因が「糖化」。
糖化は体内にあるタンパク質と食事によって摂取した糖が結びついて起こってしまう現象。
糖化したタンパク質が過剰に蓄積して終末糖化産物、略してAGE’sという老化を加速させる物質を爆誕させ、体を焦がしてしまいます。
ホットケーキを焼いたとき、こんがり狐色に焼けますね。
これはホットケーキ内のデンプンとタンパク質が熱によって起こるメイラード反応といわれる現象で、これが体内で起こる理屈です。糖化ストレスによってAGE’sと呼ばれるものが作られ、それによって老化を促進し、様々な病気のリスクを高めてしまう厄介な有害物質です。
「酸化ストレス」に関しては紫外線を避けたり、食事に気を使うなど割と容易に対策ができます。
また我々の体内には「抗酸化システム」という防御機能があります。これは体内のビタミンが酸化を防いでくれる一種の免疫機能です。
しかし「糖化ストレス」に関しては、未知の部分が多く決定的な対処法がまだ確立していないのです。
そんな!
なので、糖化の原因となるものを極力遠ざけるのが、現状打てる最も有効な対策と言えるでしょう。
では飲酒と糖化はどう関係しているのでしょうか。
アルコールを摂取すると体内でタンパク質とアセトアルデヒドが反応して、AGE’sが量産されてしまうのです。
ちなみにお酒を飲んですぐに顔が赤くなっちゃう人(フラッシング)はこの糖化ストレスに弱く、AGE’sが多く生成されてしまうようです。ですので、もしあなたが飲酒したら、すぐ顔が赤らんでしまうのなら、断酒は大正解の英断だったということ。
糖化ストレスによって起こる症状としては、
- 目の病気になりやすくなる。
- 認知症の発症率が大幅に上る。
- 骨や関節の衰えの原因になる。
などがあげられます。
糖化ストレスの脅威はこれだけではありません。
「血糖スパイク」と言う言葉をご存知ですか?
血糖スパイクとは食後に血糖値が急激に上がる症状のこと。
発症する典型例などでは飲み会の後の締めのラーメンなどです。
そしてこの血糖スパイクをきっかけに色々なアルデヒドが連鎖反応的に大量生産されます。
またAGE’sが細胞の受容体にくっつくと細胞内で色々なシグナルが出て、炎症性のサイトカインという物質(タンパク質)を出します。本来炎症は体内に侵入した細菌やウィルスをやっつけるために発症する防御機能。ところが、細菌やウィルスがいないにも関わらず炎症性サイトカインが出てくると、組織障害が起き、アルツハイマー病も進行しやすくなります。
糖化ストレスが生体に及ぼす影響は多岐にわたります。
- 白内障・加齢黄斑変性。
- 認知症。
- 皮膚老化。
- 動脈硬化。
- 糖尿病合併症。
- 骨粗しょう症、骨関節症。
当然お酒を全く飲まない人は、これら、酸化や糖化によって引き起こされる老化促進を丸ごとカットできるということになるわけですね。
断酒によるアンチエイジング効果はとにかく絶大で、翻って鑑みれば、飲酒によるデメリットは計り知れないほど大きいという結論に至らざるを得ません。
老化を止める最も簡単で、効果的な方法は断酒
老けたく無ければ、お酒を飲まない。結局のところこれに尽きるのです。
たまに催される飲み会などで嗜む程度、また月に数えるくらいの「ご褒美飲酒」程度ならいくらでもリカバリーは可能です。しかしながら、それ以上飲んでしまうような輩、とどのつまり私たちのような人間は「一切飲まない」がベストソリューション。
間違いない
ある程度年齢を重ねると、体に変化が訪れ「老化モード」に入ります。
歳をとれば当然と思うかもしれませんが、年齢を重ねても「老化モード」のスイッチが入らない人もいるのです。
元々そういう体質の人と思われがちですが、体型や老化のスピードは生まれ持った遺伝子による要因は3割程度といわれます。つまり残り7割は生活習慣が原因。
運動もせず、タバコをスパスパ吸って、お酒をガブガブ飲み、ジャンクフードばかり食べる。
そんな生活をしていれば、老化が早まって当然でしょう。
体の「老化モード」を、「若者モード」へと切り替える方法は色々あるといわれています。
とりわけ容易なのが、1日一杯のお水を飲む習慣付けです。
ある実験によると1日水を一杯飲むと言う習慣を付けただけで、たった2週間で色々な遺伝子の働きが変わったとのこと。その2週間の実験では、抗酸化物質の入った飲み物とただのお水だけを飲ませた群にわけ、A/Bテストを行い経過を観察しました。
すると抗酸化物質の入った飲み物を飲んだグループは「血圧が下がる」、「血管が開く」といった良い作用が起こります。しかし、水を飲んだだけのグループでも、色々な遺伝子の働きが変わり、良い作用が確認できたのです。
このような些細な行いでも、「老化モード」から「若者モード」への切り替えが可能だと言うことが示唆されました。断酒をすればなおさら効果は大きいでしょう。
そして、断酒の効果は「それだけ」にとどまりません。
酔っ払って消費した時間とお金、二日酔いで機能不全になっていた時間、これらを丸ごとペイバック!!そしてシラフによる健全な睡眠は健全な意欲を呼び起こし、新しい習慣、新しいチャレンジへの動機づけになります。
質の良い睡眠と新しいことへの挑戦は若返りの特効薬。
今までお酒によって溶かされた後、排尿で便器の中へと消えていったであろう大金。これらを健康増進や、新しいチャレンジへの投資、欲しかったモノなどへ変換することができます。
「もう歳だから…」などとのたまって、新しいことをせずただただ、お酒を煽っていれば早晩詰みます。
お酒をやめる、たったそれだけであなたが取り戻すことができるもの、これから得ることができること。その可能性が無限大だと言うことが、精神論ではなくエビデンスを持って知ることができたのであれば幸いです。
アンチエイジングの研究に関しては、まだまだ発展途上で確実なものは見つかっていないのが現状です。そんなものが存在すれば、世界中でムーブメントが起こっているはずですが、起こっていませんよね。こうすれば、確実に若返るというのは正直難しいと思います。
しかし、断酒して筋トレする。この超シンプルな2つの行動だけで得られるベネフィットは計り知れないことは確実と言えるでしょう。小難しい学術理論や高いお金を支払って美容施術をしたり、高級サプリメントをとるよりも遥かに簡単でコスパが良いのはもはや言うまでもありません。
今回の記事を書くにあたって参考にした書籍は以下の通りです。