もうここまでくるとほとんどの方が「断酒1年」を身近に感じ、突破に向けての心構えが定まっている事でしょう。
禁酒、断酒における各フェーズ「緊張期」、「ハネムーン期」、「壁期」、「適応期」はこれまでのお酒に依存していた自分と決別する離脱のための期間と言えます。
そしてこの「解決期」はこれまでの「過去と現在」といった視点から、
「未来の自分」の視点へ意識を転換させるパラダイムシフトのフェーズと言えるでしょう。
この「未来思考」への構築がお酒を必要としない生活をこの先2年、3年と継続させるための土台となるはずです。一緒に考察していきましょう。
1年断酒できてもここから更に1/3は脱落する
まずは上のグラフをご覧下さい。
これはアルコール依存症の患者が入院治療の退院後に再飲酒してしまう割合をグラフにしたものです。
退院3ヶ月後には実に半数以上が再飲酒をしてしまい、1年断酒を継続出来る人はなんと僅か3割程度しかいないのです。更にそこからもう1年、つまり2年断酒を継続出来る方は2割程度にまで下がります。
つまりせっかく1年も断酒を継続できてもそこから3割以上の人が再飲酒してしまうのです。
飲んだ人の殆どは後悔しているよう
この数字はアルコール依存症の治療を受けた患者を対象にしているので、それ以外の断酒者を含めるとこの割合はもっと増えるのかもしれません。
ただ、2年を目処に断酒率は安定すると言われているので、断酒がひとまず成功したと言えるのは2年を過ぎてからとも言えますね。
先は長いな…
振り返ってみると禁酒、断酒というのは目の前の小さなハードルから一つ一つクリアしていきます。
小さなハードルと書きましたが禁酒、断酒は実際のところラスボスからのチャレンジです。
キツッ!!
1番最初に最大の難敵、離脱症状との戦いから始まります。
最も高いハードルを越えるとそこから徐々にハードルが低くなっていくイメージ。
小さなハードルって嘘ついた!!
禁酒、断酒のスタートは飲酒欲求が最も辛い状態からなので日数を重ねるごとに難易度自体は易しくなっていきます。
だから、上記のグラフのように断酒継続者の数は開始から半年までの期間は急転直下ですが、それ以降は下降線がなだらかになっていくのが確認できます。
解決期まで漕ぎ着けた断酒の猛者には釈迦に説法ですが、断酒1年まで来ると断酒開始直後の強烈な飲酒欲求自体は有りません。
それ故に開始当初の苦しかった記憶が薄らいでしまいがちなのでしょう。
それが、1年以降でも脱落してしまう要因の一つかも知れません。
ただこの事実、情報を知っているだけでもあなたは知らない断酒者よりもかなり優位性を持っていると思います。
お酒のない人生か、また飲む人生か
1年突破できた猛者でも再飲酒してしまう理由としてはやはり慢心と人生設計の甘さが要因だと私は考えます。
あくまで個人の感想です
やはり、飲んでしまうベタな理由としては
「これだけ飲まないで来れたから、もう適正飲酒出来るだろう…」もしくは
「自分は(自分だけは)もう、大丈夫」でしょう。
ですがちょっとここで思い返して欲しいのが、あなたは飲酒に問題を抱えるようになって何年ほど経つのでしょうか。断酒に踏み切る状態にまでなった方の多くはアルコールに依存する状態が数年、人によっては十年以上有ります。
そんな状態だった人がたった1年でかつての「適正飲酒」時代に戻れると考えるのはやはり甘いと言わざるを得ません。
実際、数年断酒が継続できていたのにちょっとしたきっかけで再飲酒してしまい、
以前よりも依存症が悪化して生命の危機にまで及んだなどという話は枚挙にいとまがありません。
この事実を他山の石としてしっかり自身の中に落とし込むことが大事です。
これから、一生お酒を飲まない人生を歩むのか。
もしくは、やはり自分にはお酒が必要なので折り合いをつけて飲んでいくか。
という選択です。
繰り返しますが、現在の医学においてアルコール依存症は断酒以外の解決方法は今のところありません。
それを承知でまた飲むのもあなたの人生。選択の自由は最大限尊重されるべきでしょう。
そしてもう一つの選択は、これからアルコールとは完全に決別して、飲まない人生を選ぶか、です。
どちらが良いかはその人次第なのでなんとも言えませんが、今のところ私の選択は断酒一択です。
しかし、ただ断酒をするだけだと、お酒を「我慢するだけ」の人生になってしまいますよね。
だからこそ、お酒のない人生の「この先」として「飲まない人生」の意義を自分なりに展望しなければならないと私は考えるのです。
最もどんな選択をした所で「あの時、ああすれば良かった」といった考えが無くなることはないとは思いますが…。
ただ個人的感想では飲酒を続けてしまうと、その度に「やっちまった感」を被る事はおそらく一生ついて回ります。
これは依存症者にかかわらず、お酒アルアル
逆に断酒の選択はそういった感情とは基本的に無縁です。
そりゃそうだ…
断酒は2年突破以降が本領発揮!(らしい)
これは2年以上断酒が継続できている諸先輩方がよくおっしゃている事です。
もうひと頑張り!!
なので、あくまで他の人たちの言葉を借りての事ですが、
断酒において本領発揮するのは2年突破以降と言われております。
どういうことかと言うと、2年突破を目処に思考力、生産性、精神の安定などあらゆる要素が大幅に向上するとの事。
超楽しみ!!
私が思うに、断酒1年目はお酒から離れるために精神的、身体的リソースを費やすのが理由と推察します。
そしてお酒を飲まない習慣が定着し、いわゆる禁酒、断酒のコンフォートゾーンを確立するのが2年目以降なのではないでしょうか。
なので、1年突破した(しそうな)同志のあなたにお願いしたいのは、
もう一年一緒に頑張りませんか?というところです。
私自身、やめてたかだか一年程度、若葉マークが外れたばかり。
断酒を敢行する事で、思考力、生産性を上げ、生活をより豊かにしたいという願望が私にはあります。
- 事実朝の目覚めは飲酒時代より遥かによく、スッキリと目覚めます。
- 週に3〜4回は朝のランニングをし、筋トレも週2回以上して、休みの日はほぼ毎週ジムでトレーニングに励む日々。
- 読書の量も増えて、断酒開始以降に読破した本は百冊をゆうに超えます。
- また仕事面においてもこれまでより高度な内容の仕事を請け負う様になり、スキルは確実に上がりました。
でも、何一つ満足出来ません。
「俺はまだまだ、こんなモノじゃない、もっと上を目指せる!!」と思っています。
アル中末期の人もそんな事言うみたいよ
本も今よりもっと読みたいですし、仕事の精度も成果も生産性も上げたい。
経済的にももっと豊かになるため、精進している真っ最中。
しかしまだ道半ばで、気力体力もひと頃と比べると大分いいのですが、今ひとつ何か足りない感じを引きずっています。
もっと先に見える景色がある…。
そう考えるとたった1年でスリップなんてもったいなくて断固拒否!!!っていう思いです。
断酒の選択が人生のアドバンテージになるかは正直私にもまだわかっていません。
しかし自身を振り返り確信しているのは、私の人生において飲酒はディスアドバンテージにしかならないと言うこと。
この一点においてのみ断言できます。
飲酒そのものを人生から除外させる事が真の「解決期」
故にこのようなブログを書いている私自身、決して他人事ではありません。
「自分はもう大丈夫」なんて事は基本的には無いのです。
一生な!!
それだけアルコールは厄介な代物で、我々のような人間にとっては完全な「有害薬物」と言えるでしょう。
だからこそアルコールの真実、酒害をはじめとする知識と情報はどれだけ学んでも学び足りません。
ゴールのない闘いと考えてしまうとちょっと暗い気持ちにもなりますが、あまり囚われ過ぎない様にしましょう。
なぜならこの世にはお酒など無くても楽しく、やりがいのある物や出来事はいくらでもあるからです。
むしろアルコールに執着していたこれまでが、まともに楽しむ事が出来ていなかったのではないでしょうか。
子供はお酒など飲まなくても毎日楽しく遊び、学んで生きています。
自身の子供の頃を思い出し、今の子供たちから大いに学びましょう
飲酒という選択を人生から除外させるということは、考えてみれば辛いことでも何でもありません。
むしろ執着を一つ手放す事なので確実に心は軽くなるはずです。
過去との決別の特効薬は未来の展望しかないとも言えます。
幾つになっても未来の自分に期待することは決して悪いことではないですし、それを否定する権利がある人間などこの世にいません。
お酒を手放した寂しさに目を向けるより、お酒と決別することによって得られることに注目する方が遥かに建設的でしょう。
アルコールはこれまで、あなたから様々な物を強奪してきましたよね。
お金、時間、健康、思考力など。
中には自身の財産、仕事やキャリア、仲間や恋人、家族を奪われた人もいるでしょう。
もう取り戻せないものもあるかも知れません。
しかし、今からでも取り返せるものは必ずあります。
お酒をやめることでそれらを取り戻せたと思えれば、あなたの勝ちです。
再飲酒をするという事はせっかく取り戻したそれらをまた、アルコールに差し出すということになりかねません。
そして何より、取り返す以外にもこれから獲得し、築いていけるものも沢山あるはず。
この「解決期」においてはこれからのシラフ人生をどう、楽しく「領域展開」出来るかが最大のポイントと言えるでしょう。
解決期はあなただけのお酒のない新しい人生のグランドデザインを構築しましょう。
酒無し人生への「ライフシフト」
人生そのものじゃないか…
失敗する要因は単純、それはみんな一緒で「俺は(私は)もう、ちょっとくらい飲酒しても大丈夫」これですよね。
ちょっとで済んだ人は”ほぼ”いません
しかし禁酒、断酒の成功と継続の要因は十人十色で一人一人違います。
そういう意味では本当の「解決期」と言えるものは1年突破の先に一人一人が自身で構築していくのだと思います。
断酒を開始して1年突破までは、これまで述べてきたような
「緊張期」、「ハネムーン期」、「壁期」、「適応期」、「解決期」
といった5つのフェーズがあります。
これらをクリアするまでのロードマップにおいては、多くの人にとってある程度再現性が高いでしょう。
しかし、繰り返しになりますが1年を乗り越えても、いや何年出来ていてもスリップ(再飲酒)してしまう人は後を断たないのです。
お酒はいつでもどこでも安く飲めてしまうのも要因でしょうね…
こういった人達と同じ轍を踏まないためには自身の人生観にお酒の無い未来へのメリットを構築する必要があるのでは無いでしょうか。つまり酒無し人生への「ライフシフト」です。
医療の発達も手伝い、今の日本人の多くは100歳まで生きるだろうと言われています。
「人生100年時代」を謳歌するためにはこれまで言われてきたような人生設計のモデルケースでは通用しません。
各々が自身のキャリアや人生観と向き合って都度アップデートしていく生き方が求められます。
そういったこれからの人生での創意工夫において飲酒習慣は大きな枷になることは間違い無いでしょう。
自身の人生をより良くアップデートしていくためにもアルコールのない人生プランを構築していく。
そういう風に未来を展望できれば断酒という選択があなたの望む、この先の人生に大きく寄与するのではないでしょうか。
禁酒、断酒によって享受できるメリットは数え切れないほどあります。
しかし自身の人生においてお酒を必要としない生き方に「納得感」を持って生きる術は、誰かから教わる事は出来ないのかも知れません。
その「納得感」は、自分自身で獲得しなければならないのではないかと私は考えます。
そしてそれは結局のところ、「行動する」といったことに帰結するのではないでしょうか。
お酒をやめれば、お金、時間、思考力といったものがゲットバックできます。
そして奪還したそれらを駆使して「行動」すれば、様々な選択肢が広がる。
「解決期」以降の1年はそういった行動にフォーカスを当てて生きて行きたいと今の私は考えています。
この記事を読んだあなたが断酒1年を突破し、更に2年突破を目指してあなただけの酒無し人生を楽しく謳歌する未来を強く願います。
一緒に楽しい未来に向かって邁進して行きましょう!!