「そろそろ、お酒やめましょう!!」

そろそろお酒やめようかな

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「そろそろ、お酒をやめようかな」と思ったときに読む本 著:垣渕洋一

お酒の正体、それは「薬物」であるという厳然たる事実。アルコール依存症の専門医が自身の知見に基づいて書かれた本書はプロの医学者だからこそわかるお酒の負の側面を余すことなく書かれた良書です。

本書の著者でもあり、東京アルコール医療総合センター長の垣渕氏によればアルコールは「精神的効用はあっても、身体的には何もメリットはない」と断言します。メリットが無いどころかむしろ、病気や事故、トラブルの種になるリスクが増え、デメリットの方が多いのはもはや周知の事実。

現在アルコール依存症の患者数は100万人を数え、その手前のグレイゾーン、所謂アルコール依存症予備軍は約1000万人と言われています。

さらにアルコールは数多ある危険ドラッグの中でも頂点に君臨する「キングオブドラッグ」と言われる真実。そんなお酒と決別することによって得られる様々なメリット、そして意志の力ではなく仕組みづくりによって禁酒を成功させるメソッドをこの本では紹介しています。

目次

お酒を飲まないイマドキの若者「ソーバーキュリアス」

Sober Curious

酒飲みのあなた(かつての私)には信じがたい事実かもしれませんが、現在お酒を飲まない日本人が加速度的に急増しています。

厚労省の行った平成30年の調査によると現在飲酒習慣のない日本人は全体の55.6%にのぼり、内分けで「飲まない、もしくは飲めない」が38%、「ほとんど飲まない」が15.8%、「止めた」が1.8%で日本人の実に過半数がお酒を飲まないのです。

「飲まない」傾向は特に若者に顕著で、昨今はアメリカの若者を中心に「ソーバーキュリアス(Sober Curious)」と呼ばれる静かなムーブメントが広がっています。「ソーバーキュリアス」とは(Sober=地味な、しらふ)と(Curious=好奇心)合わせた新語です。日本語にすると「しらふを楽しむ人」ということになります。

余談ですが本ブログのブログタイトルである「ニシハライフのウチナーソバー」もこれから拝借し、ウチナー=沖縄、ソバー=Soberを合わせて、「お酒を飲まない沖縄県民」という意味でこういうブログタイトルにしました。もちろんウチナーソバ(食べ物の方)も大好きです。

「ソーバーキュリアス」はアメリカ発祥のカルチャーですが日本の若者も知ってか知らずか確実に浸透してきているようです。

「忘年会スルー」なるワードがSNSを駆け巡り、若手社員が飲み会などを不参加表明する事例が増えています。年配者の酒席でのお説教や自慢話に始まりモラハラ、パワハラetc.に辟易した若者が「コスパの良くない悪習」と捉え参加費を徴収する制度に「NO」を突きつけたわけです。

考えてみればもっともな話で、参加が義務なら「費用は会社持ち」が当たり前だと私も思いますしコミュニケーションが主体ならアルコールはそもそも不要(むしろ邪魔)です。

最近ではそういった時流を鑑みてアルコールのない交流の場を設ける企業も増えてきているよう。そう、もはや飲酒者は「マイノリティ(少数派)」なのです。

ストロング系チューハイは「危険ドラッグ」

ストロングは危険ドラッグ

私自身平成に入ってから、日本人とお酒の「距離感」がおかしくなったと考えています。かつての昭和時代は飲酒といえば、たまにある飲み会や冠婚葬祭、身内での集まりや自宅でのささやかな晩酌程度でした。多くの善男善女がお酒のたしなみ方に節度があったように思います。

お酒は元々「ちょっと高級な嗜好品」で週に一度のお楽しみで飲む程度のものだったと思います。しかし不況、デフレの影響からか、平成の半ば頃からビールより安価な「発泡酒」そしてその後「第3のビール」が登場し、お酒は「ちょっと高級な嗜好品」から「手軽に酔えるもの」になってきました。

2000年代初頭には安くて清涼飲料のように飲める缶チューハイも流行り、その後ご存知アルコール度数9%のストロングチューハイの台頭で日本人とお酒の距離感は一気に不健全なものになっていったように強く感じます。

本書ではストロング系チューハイは「危険ドラッグ」と言っても遜色ないと語ります。とにかく安く酔えて柑橘系の爽やかな飲み口に魅了され好む人が多く、近年では女性のアルコール依存症増加の一因ではないかと言われています。実態は「化学調味料を入れたアルコール」で、本来の「豊かな香りや味わいを楽しむお酒」とは一線を画す「危険ドラッグ」です。

生活習慣病のリスクを高める飲酒量の人の割合は、ここ十年で男性はあまり変わらないのに対し、女性の割合が有意に増加しているとのこと。

本書ではそういった現状を踏まえ、近年の女性がアルコール依存症になりやすい、社会構造に警鐘を鳴らしています。

フランチャイズ型のスーパーマーケットに行くとお酒コーナーに所謂PB(プライベートブランド)商品のウィスキー、日本酒、ビール(発泡酒)、酎ハイ(ストロングもある)などが驚くほど安い値段で提供されています。

こういった消費構造は政府が主導して各メーカーに勧告を出し、是正する必要があります。しかし、そんな何年かかるかわからない行政指導を待つ訳にはいきません。令和の時代は我々消費者が主体的にアルコールと適切な距離を置くための知識と工夫が必要と言えるでしょう。

真面目な人ほどアルコール依存症になりやすい

真面目な人ほど依存症になりやすい

かつてはアルコール依存症を患った人は、「意思が弱いだめなオッサン」というステレオタイプの印象が横行していましたが、実態は違うよう。

前述の通り近年は口当たりの良く飲みやすいチューハイなども豊富という背景も手伝い、若年女性のアルコール依存症者も増えております。

そして男女に関わらず一見するときちんとした身なりで、大抵の方は正常に社会生活を営んでようです。それ故症状が深刻化するまで放置するケースが多いのではないでしょうか。

アルコール依存症になりやすい人の特徴としては、頑固で完璧主義、真面目な優等生タイプ、のめり込みやすい人、等が挙げられます。それに加えうつ病を患っている方がアルコール依存症を併発したり、逆にアルコール依存症から、うつ病になったりするケースも非常に多いです。

アスペルガー症候群などの発達障害があり、感情の揺れの大きい方もなりやすようで、当ブログの別記事ではHSP、所謂繊細で敏感な感覚を持っている方もなりやすいのではないかという推察を記事にしました。

本書では「AUDIT」と言われるWHO(世界保健機関)が作成した、アルコール依存症チェックの項目があります。これは酒造メーカーKIRINの公式サイトでも同様のチェックが出来るので以下のリンクから、自身の状況を知るためにテストを受けてみるのをおすすめします。

スコアが15点以上なら「アルコール依存症疑い群」です。(お酒を提供する企業がアルコール依存症防止を啓発するのも鼻白む感じではありますが‥。適正飲酒?出来ないから止めたんだよ!!←かつてスコア31点)

酒は百薬の長などではない!

お酒は万病の元

吉田兼好の随筆『徒然草』に「酒は百薬の長」という有名なフレーズがあります。しかしこの文には続きがあり、正しくは「酒は百薬の長といへども、満(よろず)の病は酒よりこそ起(おこ)れ」とあります。

簡単に解釈すると「酒は適度に飲めば体にいいけど、飲みすぎると万病の元だよ」というところでしょうか。

では適度な飲酒とはどれくらいなのでしょう。本書では厚労省の指針を引用する形で紹介されています。

適切な健康に害のないローリスクの飲酒量は男性の場合、一日あたり20g以下のアルコールとのこと。20g以下のアルコールとは大体500ml缶のビール一本分です。女性の場合はこの半分なので、350ml缶一本でオーバーする計算になります。

私はこの数字をお酒を辞める前に知ったのですが、その時は正直「ふざけるなよ、たったそれだけで終われるか!ウォーミングアップにもなりやしねえ!!」でしたが、あなたはいかがでしょうか。

この基準値を上回り、男性40g以上、女性20g以上のアルコールを一度に摂取すると、ミドルリスクの健康被害、更に男性60g以上(500ml缶ビール3本)、女性30g以上だとハイリスクになります。

冒頭で記述した、アルコール依存症手前のグレイゾーン、所謂アルコール依存症予備軍の約1000万人がこのハイリスクの飲酒を毎日していると推定されます。飲むお酒の種類、アルコール度数によって、適正飲酒の量は変わるので、詳細は本書を読んで頂きたいのですが、身近なお酒でビール500ml缶一本が、一日の適切な量(女性はその半分)ということだけでも憶えておいてください。

繰り返しますが、アルコールは「精神的効用はあっても、身体的には何もメリットはない」のです。話を戻すと「酒は百薬の長」というのは古代中国(新)の皇帝が酒税を徴収するために流布したキャッチコピーとのこと。ちなみに現在の日本でもお酒は平均で約4割が税金になっています。財務省が古代中国の皇帝のように見えてくる話ですね。

アルコールは「キングオブドラッグ」

キングオブドラッグ

アルコールは覚醒剤やコカインよりも危ない「キングオブドラッグ」と呼ばれる事実を信じられますか?もちろんアルコール飲料は種類によって度数が異なるため、「ほろよい」と「ウォッカ」を同等に扱うには無理があります。しかし含有している物質自体は同じものです。

アルコールは合法的な嗜好品でいつでもコンビニやスーパーで手軽に入手できるため、そのような認識を持っている方はそんなに多く無いでしょう。お酒の危険性というのは海外では、だいぶ周知されているようですが、日本においてはまだそれほど知られてはいません。おそらく理由としては大手マスメディアのスポンサー広告には大企業酒造メーカーが名を連ねているため、忖度があるのでしょう。

また財務省の税収手段として、酒税はまさに「濡れ手に粟」。アルコール依存症者が増えれば増えるほど税収も増えるのです。少子高齢化に伴う医療費の増加などの観点から、中長期的に見て今の状況は決して看過できませんが未だに是正がされていません。

アルコールは「ターミナルドラッグ」すなわち「終着駅の薬物」ともいわれており、様々な違法薬物を使用した人たちが、最終的に行き着くのが「合法で簡単に手に入る(しかも安い)」アルコールだといいます。

「薬物の総合的な有害さの比較」において、アルコールは「使用者への有害さ」「他人への有害さ」の総合スコアにおいてヘロイン、覚醒剤を凌ぐトップのスコアを示しています。また動物実験においてもアルコールは依存性においても、覚醒剤よりも依存性が高い数値を記録しました。

世の中の大半の人はお酒を適度に楽しんでいるので、ピンとこないかもしれませんが、アルコールに潜む危険性は絶対に知識として頭に入れておきましょう。

「知る」ということが、依存症を遠ざけたり、また自身が依存している事実を受け入れたり出来ます。依存している事実を受け入れることができれば、対処する解決策も自ずと見つけることが可能になるでしょう。

「減酒」より「断酒」が断然楽!?断酒のメリット

減酒より断酒が楽

「減酒」にするか、「禁酒もしくは断酒」するか。飲酒に問題意識を持っている人は誰もが、差し掛かる岐路です。あくまで「サンプル1」ですが、私自身は「断酒」がやはり楽です。

本書においても、いきなりお酒を断つのはハードルが高いので、「まずは減酒」といった形で「減酒」のためのノウハウが紹介されます。

詳細は本書に譲りますが、私自身やはりお酒を節制してたしなむのは「苦痛」が伴うものでした。「減酒」の場合、飲んだ瞬間から「もっと飲みたい」という自身の欲求と常に戦うことになるからです。お酒を飲むたびにそういった「意志力」を発動させるのは本当に疲れます。なので、「減酒」に関しては出来る人と出来ない人が明確に分かれるはずです。

とはいえ、お酒を止めることに二の足を踏んでいる方はまずは「減酒」にチャレンジするのは決して悪い選択ではありません。どんな事柄においても「まず、やってみる!!」と行動することが一番大事です。実践することで自身が「減酒」で行けるのかやはり「禁酒、断酒」に踏み出すべきかが見えてくるからです。ですので本書を読んだ後何らかのアクションを起こすことで自身の課題が見えてくるでしょう。

ではお酒と決別した場合、どのようなメリットがあるのか。すでに多くのことが知られていますが改めて簡単におさらいしましょう。

睡眠の質が上がる

寝る前にお酒を飲むと、そのときはリラックスして眠れます。それ故睡眠薬代わりにお酒飲む方が多いですが、それは逆効果です。お酒は飲んで2〜3時間経つと、肝臓の解毒作用で脳が活発になり交感神経が優位になることで、覚醒作用が起こります。

さらに利尿作用もあるためトイレに行きたくなり、目が覚めるため、結果的に睡眠の質は悪くなります。飲酒習慣のある人がお酒を断つと不眠になりますが、1〜2週間経つと眠れるようになり、二日酔いのないスッキリした目覚めになります。

ダイエット、美容効果がある

飲酒習慣があると、お酒のカロリーに加え、おつまみのカロリーなど、必然的にカロリー摂取過多になります。加えてアルコールは味覚を鈍くするため、濃い味付けを好むようになり食生活のバランスが崩れてしまうのは既知の事実でしょう。お酒を止めることでそれらをまるごとカットできます。

また、それだけに留まらず、肝機能の回復に伴い体の代謝が上がり、痩せやすい体質になり、肌や髪質も良くなります。アンチエイジングの効果は大きく、見た目が若々しくなるため、女性にとって断酒のメリットは想像以上のものがあります。

出費が減る

当たり前のことですが、お酒を止めるとそれらに関わる費用が一切掛からなくなります。どれくらいの金額をお酒に費やしているかは個人差があると思いますが、仮に一日1,000円使ったとして、一ヶ月で3万円、一年で36万円以上の出費です。

更に飲酒の場合、お酒代だけに留まらず、それにまつわる食べ物、飲み会でのタクシー代や運転代行。その他二日酔い止めのサプリメントなど、驚くほどお金を使っているはずですので、一度自身の飲酒習慣を振り返って計算してみましょう。

長年飲酒している人は更に医療費なども加わるので、飲酒がいかに「金食い虫」かがわかると思います。

生活習慣やがんのリスクの低下

お酒は万病の元ですが、お酒を断つことで万病を遠ざけることが出来ます。飲酒によってもたらされる疾患はざっと上げると

・口腔がん・咽頭がん・食道がん・脂肪肝・アルコール肝炎・肝硬変・肝臓がん・大腸がん・認知症・うつ病・睡眠障害・発達障害・高血圧・不整脈・虚血性心疾患・糖尿病・膵炎・膵がん、そしてアルコール依存症です。

まさに病気の総合デパートですが、女性の場合はこれに加えて、乳がんや妊婦の飲酒による胎児性アルコール症候群などがあり、やはり女性の飲酒によるデメリットは男性よりも大きいと言わざるを得ません。

思考がクリアになり、時間にゆとりが出来る

これも言わずもがなですね。お酒を飲むと酔いが回り思考力が落ちてしまうのは誰しも感じているでしょう。

飲んだほうが、アイデアが湧くと言う人もいますが疑問です。個人の才能にもよるとは思いますが、凡人の私の場合酔ったときになにか閃いても(その時はすげえ!と思う)酔いが覚めて再考すると大したことがないのが多いです。 (内容を忘れてたりする)やはりしらふの時のほうが思考がはっきりして、物事の長短を冷静に見られると思います。

またしらふの方がやる気などにも良い作用があるでしょう。二日酔いの状態では高いモチベーションなどは望むべくもないです。

時間に関しても繋がっていて、お酒は飲んでいるときだけではなく、翌朝の時間も奪います。飲みすぎた翌日は大抵の方は二日酔いでお昼ぐらいまで、ひどいときは夕方くらいまで頭が使い物にならないのでは無いでしょうか。そう考えると飲酒はお金だけでなく、時間、思考力、生産性、そして健康まで奪うのです。

「意思」ではなく、「仕組み作り」が継続の鍵

禁酒、断酒、減酒は意思の力だけでは続けることは難しいです。「我慢している」という意識が常に頭に存在するので苦痛が伴います。

なので、意志の力ではなく自身の身の回りの仕組みを変えることで、お酒を遠ざける生活を習慣化しましょう。禁酒を成功させるのに必要な行動は二つ。

1.「見える化」する
2.「宣言」する、です。

1.「見える化」する

カレンダーで可視化

シンプルで、今日からできる仕組みです。やり方は色々ありますが、すぐ出来るのがカレンダーを使った古典的な方法。月表示カレンダーの日付に飲んだ日、飲まなかった日に印をつけるのです。

飲んだ日は「×」、飲まなかった日は「○」と毎日印をつけて飲酒記録を可視化しましょう。

この方法は私も初期から禁酒半年くらいにかけてやりましたが、かなり効果的でした。私の場合飲んでしまった日は「×」にして、飲まなかった日は「○」、更に飲まずに運動(筋トレやジョギング)をした日は「花まる」をつけるようにしました。

大事なのは毎日記録し、常に目に入る位置にカレンダーを設置することです。自己管理能力を常に客観視することで所謂「メタ認知」が向上します。「メタ認知」は禁酒、断酒、減酒をすすめる上で必須のスキルで飲酒記録の「見える化」で身につけることが可能なります。

またPCのエクセルシートや、スマホの記録アプリを使って行う様々な方法が本書では紹介されています。

やってみるとわかるのですが、「○」の日がどんどん積み上がっていくと嬉しくなり、続けるモチベーションになりますし、逆に「×」が増えていくと自分がどれだけお酒に依存しているのかが、嫌でもわかってきます。

他にも可視化する方法として、自身がどういった状況になったとき飲酒欲求(トリガー)が起こるのか、記録しましょう。記録しておくことで、前もって対処方法を用意しておけます。

かつての私は残業が長引いて帰りが遅くなると、疲れとストレスで飲みたくなるようでした。なので、夜食をお腹いっぱい食べたり、コンビニスイーツを多めに食べてしのぎました。当然太りますが、飲酒するよりずっとマシです。

2.「宣言」する

禁酒宣言

これは正直賛否両論あると思いますが、私もやったほうがいいと思います。「宣言」をすることで、飲み会の誘いを断りやすくなりますし、家族や友人など周囲の協力も得られるからです。

ただリスクとしては「宣言」をしたのに、飲んでしまった場合、強い自己嫌悪に苛まれる方が多いことです。上手く行けばいいのですが、スリップ(再飲酒)や多量飲酒をしてしまった後、強い自責の念に襲われる危険があります。

そうなると「自分にはやっぱり無理なんだ」と諦観し、やけっぱちになって飲んだくれてしまう方は少なくありません。前述の通りアルコール依存症を患ってしまう人は真面目で責任感が強いため、自身の失敗が許せないのです。しかし、そういうときのためにこういった本があるのです。

大事なのはお酒に対する認識を常に強化すること。スリップ(再飲酒)は禁酒や断酒をする上で多くの方が経験する「通過点」なので、気に病むのは無意味です。

そういった事実を知り、知識を積み上げていくことが、継続のコツでしょう。くれぐれも自分ひとりの「意思」一つで達成できると過信しないことが大事。私自身はやる前に「宣言」するよりは、お酒と距離を置けるようになってしばらくして(数ヶ月〜半年くらい)、自身の心がある程度定まってからやった方がいいかと思います。

また、SNSなどを活用して、自分と同じ境遇の方とコミュニティを作るのも効果的でしょう。

お酒を知ることで、自分を知ることが出来る

お酒を知り自分を知る

私自身の主観や経験を交えて、本書を紹介してきましたが、自分の飲酒に問題意識を持っている方は本書を読むことを強くおすすめします。

先の「AUDIT」検査や、飲酒、禁酒の「見える化」など、本書を通して自身とお酒との関係を知ることで自分がどういう人間なのかを知ることが出来ます。自分を知ることでこれからお酒とどう向き合っていくのかを考察するのに、この本はとても役に立つでしょう。

アルコールが取り巻く日本の現状、アルコールによって引き起こされる、健康問題、社会問題などをまず「知ること」が問題解決の出発地点になるからです。

社会的な問題は時間のかかる課題で個人の力ではどうすることも出来ませんが、自分の健康問題を解決できるのは自分だけです。

お酒を断つことで「楽しみ」が無くなったと、捉えがちですがお酒という「その場限りの楽しみ」との決別によって、代わりに得られるものは非常に多いはず。

「時間やお金、爽やかな朝」だけではなく「自分だけの何か」を獲得することで「お酒のない人生のほうがいい」と思うことができれば、禁酒、断酒を継続するのに「意思」はもう必要ありません。

また、お酒を克服することで、他の物事もコントロールしやすいマインドセットの構築が可能になります。禁酒、断酒当初は、多くの方が強い甘味欲求に襲われます。私自身止めた当初はドーナツばかり食べて、体重が増えてしまいましたが、しばらくすると必要なくなりました。

その他読書の量も激増したりと、お酒を断つことで様々なことが自分の「意思」で行えるようになります。禁酒、断酒という「行動」が「仕組み」を作り、「仕組み作り」こそが、強い「意思」を少しずつ育んでいくのだと感じる今日このごろです。

本書で得られる様々な知識や情報を活用し、禁酒、断酒によって得られる「新しい生活」、「新しい自分」を思い描くことが断酒成功の鍵になるでしょう。

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