断酒で夢をかなえるゾウ!

夢をかなえるゾウ

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夢をかなえるゾウ  著:水野敬也 文響社

禁酒、断酒を始めた方、また始めようと思っている方の心に刺さる内容の物語です。

2007年に初版が発売。翌年の大ベストセラーになり、その年200万部の売上を記録したこの本。当時話題になりドラマ化もされたため、ご存じの方も多いでしょう。
小説のようなストーリー仕立ての自己啓発本。主人公の青年「僕」と、夢をかなえるゾウ「ガネーシャ」との不思議な共同生活を軸に物語は進みます。
関西弁の神様ガネーシャと劣等感の強い主人公の小気味いい良い掛け合いにあなたも読んでいて物語の世界に引き込まれるでしょう。

ニシハライフ

何かを始めたくても始められない、やめたくてもやめられない。そんな人にピッタリの本。

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(2021年9月現在)
ヒットしていた当時見逃していた方はこれを機に電子版で読んでみることを強くおすすめします。

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目次

「夢をかなえるゾウ」ってどんな話?

ガネーシャ

いわゆる自己啓発本ではありますが、ストーリー仕立ての構成。

満たされない思いを抱えながら、でも何をするわけでもなく日々を送る主人公の「僕」
ある朝目を覚ますと、僕の目の前にはゾウの姿をした神様、「ガネーシャ」がいます。
どこか見覚えのあるそのゾウは僕がインド旅行で買ってきた神様の置物の化身だった。
「変わりたい、でも変われない」そんな心の叫びに呼応して現れたガネーシャは僕に言います。
「自分、変わりたいの変わりたないの?どっち?」。
何故か関西弁で尋ねるガネーシャの問いに対し、逡巡する僕。
ガネーシャは「自分みたいに、いっつもぐだぐだしてて自分で決めたことも実行でけへんしょうもないヤツでも、できる感じケアしたるから、そのへんはワシにまかしとき」と自信満々。

ガネーシャいわく今まで彼が育ててきた人間は、ニュートン、モーツァルト、ピカソ、孔子、ナポレオン、ニーチェ、エジソン、etc.など名だたる偉人ばかり。
眉唾ものの自慢話を聞かされ疑いを持つも、ガネーシャの問に「変われるのなら、変わりたい」と答える僕。出された契約書にサインを交わし、ガネーシャの教えに従う旨を誓う。
半信半疑の僕は戸惑いながらも、ガネーシャの提示する課題に取り組み始めるのだった。

ガネーシャの教え

と、ここまでが簡単なプロローグ。

ガネーシャの出す課題は誰にでもできる簡単なもの、しかし実践している人は決して多くはない課題ばかりです。

ガネーシャから出される課題は以下の通り。

  • 靴をみがく
  • コンビニでお釣りを募金する
  • 食事を腹八分目にする
  • 人が欲しがっているものを先取りする
  • あった人を笑わせる
  • トイレを掃除する
  • まっすぐ帰宅する
  • その日頑張れた自分をホメる
  • 一日何かをやめてみる
  • 決めたことを続けるための環境を作る
  • 毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
  • 自分が一番得意なことを人に聞く
  • 自分の苦手なことを人に聞く
  • 夢を楽しく想像する
  • 運がいいと口に出して言う
  • ただでもらう
  • 明日の準備をする
  • 身近にいる一番大事な人を喜ばせる
  • 誰か一人のいいところを見つけてホメる
  • 人の長所を盗む
  • 求人広告を見る
  • お参りに行く
  • 人気店に入り、人気の理由を観察する
  • プレゼントをして驚かせる
  • やらずに後悔していることを今日から始める
  • サービスとして夢を語る
  • 人の成功をサポートする
  • 応募する
  • 毎日、感謝する

いかがでしょうか。「確かに!」と納得するものから、「どうしてこんなことが?」と首を傾げたくなることなど、様々でしょう。本願成就のため、どうしてこれらの課題が必要なのかは本書にてガネーシャが説明していますので、ぜひ読んでいただきたいです。

今回はこれらの課題の中から、禁酒、断酒に役立ちそうな、行動やマインドセットを軽く掘り下げたいと思います。

人の器(時間)は決まっている

人の器(時間)は決まっている

「たとえば、今の自分みたいにな、変わりたい、今までとは違う人生歩きたいと思た時、普通やったらどないする?」 

「そうですね……何か新しいことをはじめようとするでしょうね」

 「そうするわな。ま、それも一つの方法やわ。新しいことはじめてうまくいく場合もあるで。でもな、それだけやったら変わるのは難しいねん。むしろみんな『新しいことをはじめよう』思うからなかなか変われへんねん。何て言うたらええんかなあ……誰もがそれぞれ時間という『器』を持ってんねや」 

「『器』ですか……」 

「そうや。たとえば、一日は二四時間やろ。これは誰にでも与えられた平等な器や。で、今、自分の器はぱんぱんに詰まってるわけやな。会社行ったり、友達と会うたり、寝たり、マンガ読んだり、そうやって二四時間ぱんぱんにして過ごしてんねや。その器にこれから新しいもん入れようとしても入れられへんやろ。もうぱんぱんやねんから。さてここで質問や。そんなぱんぱんな状態から新しい生活を手に入れよう思たらどうしたらええ?」 

「何かをやめて時間をつくる?」

「そのとおりや。『捨てる』とも言えるな。そうやってぱんぱんに入った器から何かを外に出すんや。そしたら空いた場所に新しい何かが入ってくる。それは、勝手に入ってくるもんなんや。たとえば、自分の周りで会社辞めたやつも、意外としぶとう生きてるやろ。それは、会社辞めることで空いた器に何か新しい仕事が入ってきとるからやねん。とにかく、人生変えていくいうのは、そういうイメージやねん。分かる?」

課題、「一日何かをやめてみる」より引用。

禁酒、断酒における「緊張期」(0日〜14日)を過ぎると、よく眠れるようになり、徐々に気力体力が充実してきます。これが「ハネムーン期」(15日〜90日)
この辺に来ると自身の中に精神的にも時間的にもポッカリと間(ま)が空きます。
この間とはまさに、これまでお酒を飲んで費やしていたリソースです。

お酒はあなたも御存知の通りお金を費やし、体力を費やし、気力を費やし、時間を費やします。

お金に関してはリターンが非常に分かりやすいでしょう。

しかし、いざ禁酒、断酒を始めると、時間の「浮き」は顕著で「ハネムーン期」に入ると結構結構、時間を持て余すようになるのです。
さらに、睡眠の質が上がることにより気力、体力にも俄然余裕が生まれます。

ニシハライフ

そうやってあなたという器に発生した「空き」に新しい何かを注ぐ訳ですね。

やめたお酒の埋め合わせを何で満たすのか

やめたお酒の埋め合わせを何で満たすのか

この辺は人それぞれだと思いますが、やはり禁酒、断酒初期においては以下のような行動が有効だと思います。

  • 自宅の片付けや掃除といった家事
  • ウォーキング、ランニング
  • 筋トレその他ワークアウト
  • 読書
  • ブログや動画、SNSなどで発信
ニシハライフ

私を含め多くの禁酒、断酒者はお酒をやめたのをきっかけにこれらの行動をまず起こしがちです。

いきなり新しいスキル、資格の勉強や、新しい事業を始めるなどはやはりハードルが高いので、簡単に今すぐ始められる行動から手を付けるのがいいでしょう。

今挙げた行動は主に「緊張期」を過ぎた、「ハネムーン期」に特に有効です。

お酒をやめた3ヶ月後、きたる「壁期」(91日〜180日)向けて、お酒以外に意識を持っていける「何か」をこの時期に新しい習慣として構築しましょう。

また禁酒、断酒初期における「緊張期」については、とにかく無理をしない。
なるべくアクションのハードルを下げてあげましょう。

手っ取り早いのはゲームや動画配信サービスでの人気アニメ一気観などでしょうか。
「hulu」やAmazonの「Primevideo」、「Apple One」などのサービスがおすすめです。

こうやって今まで、お酒で埋まっていた「器の間」を新しい何かで埋め合わせるのです。
何かをやめることで、新しい何かを自身の中に注ぐことが出来ます。

我々の場合はまさに「お酒をやめる」がこれに当たる訳ですね。
お酒をやめることが、新しい自分を作るスタートになるのです。

人間は意識を変えることはできない

人間は意識を変えることはできない

「今から言うことは大事なことやから覚えときや。人間が変わろう思ても変わられへん最も大きな原因は、このことを理解してないからや。ええか? 『人間は意識を変えることはできない』んやで」 

「意識を変えることはできない……」 

「そうや。みんな今日から頑張って変わろう思うねん。でも、どれだけ意識を変えよう思ても、変えられへんねん。人間の意志なんてめっちゃ弱いねん」 

「それは、そのとおりです。人はみんな自分で決めたことがなかなかできません」

 「それでも、みんな『意識を変えよう』とするやん? それなんでか分かるか?」

 「さあ? どうしてですか?」 

「『楽』やからや。その場で『今日から変わるんだ』て決めて、めっちゃ頑張ってる未来の自分を想像するの楽やろ。だってそん時は想像しとるだけで、実際にはぜんぜん頑張ってへんのやから。つまりな、意識を変えようとする、いうんは、言い方変えたら『逃げ』やねん」

課題、「決めたことを続けるための環境を作る」より引用。

意志の力で禁酒、断酒を継続することは出来ない。
これはもう昨今において常識になっていると言えます。

つまり意思に頼るのではなく、お酒を飲まない「環境構築」に注力することが肝心。

禁酒、断酒など「やめること」に関わらず、新しい「始めたいこと」にも同じことが言えます。

ニシハライフ

私の場合、お酒を「やめる」にあたってまず、以下のことを設定しました。

  • 冷蔵庫や棚、というより自宅に一切お酒を置かない。(超基本!)
  • スーパー、コンビニのお酒コーナーが視界に入らないよう近づかない。
  • 飲み会などの酒席は当面断る。昨今はコロナによる飲み会自粛等が大きな追い風になりました。
  • お酒のCMを見ないためにTVをつけない、もしくは自宅に置かない。またはTVをネットに接続してネット動画だけを見るようにする。

物理的にお酒との距離をとり、「飲みたい」欲求が出にくい、もしくは出ても飲酒という行為に繋がりにくくするようにする。
そうやって波のごとく押し寄せる飲酒欲求から身を守る「防波堤」を自身の周りに構築するのです。
この辺家族とお住いの方はちょっと難しいかもしれません。禁酒を宣言する等、身近に飲酒者がいる場合は当分目の前で飲まないようにして貰うといった、ある程度の協力が必要。

諸説ありますが、人間の「衝動的欲求」は発動して約20秒間が最も高いと言われます。

つまり「飲みたい」と思っても、その都度深呼吸をするなり、お水を飲むなりして20秒間経過させれば欲求自体は霧散します。
そうやって、「抽象的意思」をあてにせず「具体的行動」を起こすことが、「お酒をやめる」ことに繋がり、ひいてはやりたい「新しいこと」の実現を近づけることになるのです。

飲んでも変わる、やめても変わる

飲んでも変わる、やめても変わる

いかがでしょうか。本書の文章を引用して少しですが紹介してみました。
これらの課題をこなしていき、主人公は少しずつ変わっていきます。そして後半にはガネーシャからの「最後の課題」が出されていくのです。
果たして主人公は夢を叶えることが出来るのか。

以前他の記事で、「飲酒行為こそ『現状維持』の最たる行い」書きました。
確かにその通りではあるのですが、厳密にはちょっと違うんですよね。

ニシハライフ

実はお酒を飲んでも「変わる」のです、それも「悪い方向」に。

だってそうですよね?お酒を飲めば、
肝機能の低下、
筋力の減退、
脳細胞の死滅と萎縮、
睡眠不足によるパフォーマンスの低下と、
枚挙に暇がありません。

ゆっくりと徐々に、しかし確実に「悪化」は進みます。そして気がついたときには様々な病気を患い、不可逆的に不健康になり、アルコール依存症が進行しどうにもならなくなる。
そんな人が巷に溢れているのはあなたもご存知でしょう。

健康を失うだけでなく、お酒で散財した挙句、無一文になる。
このように飲酒は嗜み方を誤るととんでもない方向に人生を変えてしまうのです。

ニシハライフ

そして当然「やめて」も変わります。
断言しますがお酒をやめて起こる変化は基本的には「好転的変化」以外あり得ません。

お酒をやめて起こる変化は基本的には「好転的変化」

理由は簡単で、お酒をやめて「健康的」、「経済的」に悪化する要素が皆無だからです。

よく、「お酒をやめるとコミュニケーションの場が減ってしまい、デメリットがある」とおっしゃる方がいます。一歩譲ってそれがデメリットと勘定しても、「健康的」「経済的」メリットと比較した場合、どちらが大きいでしょうか。
人それぞれかもしれませんが私の場合は「やめる」方が圧倒的勝利です。
第一コミュニケーションの場が「減る」だけで「無くなる」わけではありません。

私自身かつて、色々しょうもない理由付けをして飲酒をしていました。
しかし、一番の理由は酩酊して嫌な感情から逃げたかったということ。
二番目の理由は変わらないこと、つまり「現状維持」が、とにかく「楽」だったからです。
しかし、この世は諸行無常、変わらないものなど一切無いのです。

「現状維持」は即ち「後退」に他なりません。

お酒一つとっても、望ましい自分に変わるか、望まない自分に変わるかは自身の「選択と行動」に全てかかっています。

小説のように楽しく読める「夢をかなえるゾウ」ぜひ読んでみてください。

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